寒い季節になると布団の中に湯たんぽを入れ、そのまま体に触れた状態で眠りに落ちる方がとても多いと思います。
湯たんぽは冷たい布団の中に入れておくと温かく気持ちがいいので、抱きかかえて眠りたくなってしまう気持ちも非常によく分かります。
が、長時間湯たんぽに触れているのは非常に危険なのです!
もしかしてあなたのやけどは、湯たんぽによるものですか?
その患部をそのままにしておくと、治り辛くなってしまうかもしれません。
自分のやけどのレベルを把握し、今すぐ適切な対処をしましょう!
湯たんぽでの低温やけどのレベル
普通のやけどは、体温よりも遥かに高い温度のものに触れることによって、その熱により皮膚を損傷してしまうことを言います。
低温やけどとは、体温より少しだけ高い温度(40度〜50度)のものに長時間触れることにより、やけどと同じような症状が生じることを言います。
低温やけどにも普通のやけどと同じようにレベルがあり、程度によって3段階に分けられます。
レベル:1
一時的な色素沈着とやけど跡がありますが、数日もすると自然治癒で跡も残りません。
色素沈着とは、日焼けをするとメラニンの増加で肌が褐色に変色することなど、体の中の細胞に色素が蓄えられることによって起こる色相の変化を指します。
真夏に一日中炎天下で過ごした日の夜は、皮膚が赤く(黒く)なってくるかと思います。
次の日は焼けた部分がヒリヒリして、氷で冷やしたりローションを塗ったりと処置しますよね。
このような日焼けもやけどの種類へ分けられ、分類はレベル1となります。
レベル:2
レベル2のやけどは、傷の深さによって2種類に分類されます。
浅達性2度熱傷(SDB)
レベル1よりも痛みが酷く、赤みを帯びて水ぶくれができます。
色素沈着が起こることがありますが、適切な処置を施しておけばやけど跡はほぼ残ることはありません。
深達性2度熱傷(DDB)
浅い損傷と比べると痛みは軽度で、赤く腫れ上がり水ぶくれができます。
水ぶくれの下にある皮膚に白さがあり、やけど跡は残りやすくなってしまいます。
浅い損傷の場合は治療は1~2週間ほどですが、深い損傷になってしまうと1~2ヶ月と長い期間の治療が必要となってしまいます。
レベル:3
水ぶくれはできませんが、表面が白くなり乾燥しています。
治ってもやけど跡がはっきりと残り、盛り上がってしまったり以前の状態にまで回復するのは困難です。
まだ免疫力も再生力も弱い乳児や、回復力が遅く皮膚が薄い高齢者、持病によって血液の巡りが悪い方などは健康な方よりも低温やけどになりやすいと言われています。
普通のやけどは一瞬で皮膚を焼いてしまうので、熱いものに触れてすぐに手を引っ込めた時などは皮膚の表面だけの損傷で済むことが多いです。
逆に、低温やけどは長時間かけてじっくりと皮膚の内側まで焼かれてしまうやけどです。
見た目よりも深刻なこともありますので、見た目が酷くないから大丈夫!と思わずに、できるだけ病院で診てもらうようにしてくださいね。
低温やけどをした時の治療法
現在の低温やけどの治療法には、『湿潤療法』というものが使われています。
軽度のやけどであれば、自然治癒によって完治しますが重度になってくるとこちらの治療法を使うと早く綺麗に治ると言われています。
湿潤療法とは、患部を常に湿らせておくことで、壊死してしまった皮膚を溶かし再生を促進させる治療法です。
この治療法であれば、ガーゼが乾いて患部にくっついてしまうこともなく、痛みのある薬品をいくつも塗り直さないといけないこともありません。
何より治療の際の痛みがないというのは、怪我を治す上で非常に重要視するべきところですよね。
湯たんぽでの低温やけどを治療する際の注意点
水ぶくれは潰さない
水ぶくれを潰した方が早く治る、というわけではありません。
水ぶくれがあることによって、中にある液体が損傷の治癒に役立ち早く治るということはあります。
なのでできるだけ潰してしまわないよう注意してください。
自然に潰れてしまった場合は仕方ありませんので、雑菌が入らないようにガーゼ等で患部を保護してくださいね。
アロエは塗らない
やけどにはアロエが効く、という話をどこかで聞いたことがあります。
しかし、そんなことはありません。風邪の時に首にネギを巻いておくのと同じです。
民間療法にはできるだけ頼らず、病院に頼るようにしてください。
まとめ
寒い夜の心強いオトモといえば、湯たんぽですよね。
お湯お入れるだけなので電気も長いコードも必要ありませんし、あのじんわりした温かさがとっても魅力的です。
しかし、湯たんぽを使用することは低温やけどの危険性もついて回るということです。
十分注意しているつもりでも、入眠前で感覚が鈍ってしまい気がつくと損傷していた…とやけどを繰り返してしまう方も中にはたくさんいます。
湯たんぽで直接体を温めたりせずに、あくまでも冷たい布団を温めておくといった使い方をすることでやけどを回避することができます。
損傷箇所によっては日常生活にまで影響が出てしまいますので、湯たんぽを使う場合はなるべく体から離してから使用するようにすると良いですね。