食欲の秋と言われて連想する果物の一つに、柿があります。
柿の中には渋が含まれているものがあり、渋柿はとても食べられませんよね…。
渋柿と甘柿を見分けることができたら…と思ったことはありませんか?
そもそも、なぜ柿には渋柿と甘柿があるのでしょうか?
柿の違いを解説するとともに、渋の抜き方についてもご紹介します!
どうして渋柿ができるの?甘柿との違いは?
実は、柿は元々渋いものとされていました。
甘柿というものは初めは存在しておらず、ある時 突然変異で熟す前から甘い「甘柿」というものが生まれました。
熟す前から甘い柿は突然変異でできてしまったものなので、渋い柿が熟す前の本来のあるべき姿なのです。
では、なぜ元々の柿は渋いのでしょうか?
未熟な柿にはタンニンという渋みの元になる成分が含まれています。
熟していくにつれてこの成分が少なくなっていくと、渋柿から甘柿へと変化していきます。
完熟するまでに鳥たちに食べられてしまっては、子孫を残すことができないですもんね。
未熟なうちは渋い柿でいることによって、安全に種を育てている生きる知恵なんですね。
他には、受粉が上手くいってない柿は渋柿であることも挙げられます。
受粉が上手くいくと種が育ち甘柿となるのですが、こればかりはどうしようもありませんよね…。
木になる柿に渋柿が多ければ、他の柿も受粉が上手くいっていない可能性が高いと思われますので、初めから渋抜きをしてから食べるようにすると良いでしょう。
ちなみに柿は1000種類以上の品種があるそうで、甘柿はその中のごく一部、17種類しかないんですって!
しかも品種によって渋柿、甘柿と分かっているものであっても、種を蒔いて同じ甘さの柿がなるとは限らないそうです。
甘柿って本当にレアなものなんですね〜。
「うちにある柿は渋柿だ」と言っている人を見たことがある方は、実はそれはまだ完全に育っていない状態で完熟すると甘柿になる木なのかもしれませんよ。
そっと教えてあげると良いかもしれませんねw
それでは次に、渋柿と甘柿の見分け方についてご紹介します!
渋柿と甘柿の見分け方は?
食べる前から渋柿と甘柿の見分けがつけば、苦い思いをしなくて済みます。
そんな柿の見分け方はというと…
実は、見ただけでは渋柿と甘柿をバッチリ見分けることはできないんです…。
完全に熟すまで放置するか、実際にかじってみて判断するのが一番確実ですが、当たり前のことですしできることなら避けたいですよね。
ここでは「食べる」以外の方法で、渋柿と甘柿を見分ける方法をご紹介しようと思います。
柿を切ってみる
柿を包丁で半分に切って、その断面で甘いか渋いかを判断する方法です。
種が詰まっており、実の部分に茶色いつぶつぶが大量に見えると食べごろの甘い柿です。
茶色のつぶは渋みが固まってできるものなので、この状態になると渋さを感じなくなり美味しく食べることができます。
渋柿の渋を抜く方法
柿のヘタをアルコールにつける
アルコール度数が30度以上のお酒(焼酎やウイスキーなど)を柿のヘタに染み込ませ、4,5日放置します。
やり方は、底が深めの平皿にお酒を注ぎ、柿のヘタの部分だけをたっぷりお酒で濡らします。
スーパーのビニール袋の中に新聞紙を引き、ヘタを下にして新聞紙の上へ並べていきます。
袋の空気を抜いて、涼しい場所で4,5日放置することによって渋みが抜け、美味しい柿へと変身します♪
ドライアイスを使って渋を抜く
夏にアイスをたくさん買った時などに、お店によってドライアイスをサービスとして貰うことができるところがありますよね。
そのドライアイスを使うことによって、柿の渋を抜くことができます。
やり方は、これまたスーパーの袋にドライアイスと渋柿を入れ、袋を密封しておくだけです。
この時、ドライアイスを柿が直接触れないようにだけ気をつけてくださいね。
なぜこれだけで渋抜きができるのかというと、柿に含まれるタンニンの性質を利用しているからです。
渋柿に含まれているタンニンとは、可溶性と呼ばれており食べると口の中で溶けてしまう性質があります。
そのままでは溶けてしまうので、口の中で溶けないようにするための処理が必要となり、この処理こそが”渋抜き”と呼ばれるものです。
アセトアルデヒドと呼ばれる物質には、タンニンを溶けにくく変化させる性質があり、この化学反応を起こすことによって食べた時に渋を感じさせないように処理してやることができるようになります。
アルコールやドライアイスの二酸化炭素などは、柿の中でアセトアルデヒドを生成することができるので、渋抜きによく利用されるのです。
まとめ
受粉が上手くいった柿は完熟すると渋さが抜け、甘柿へと変化するんですね〜。
私自身、渋い柿はいつまでたっても渋いままだと思っていました^^;
渋抜きをしなければ食べられない大量に柿がある場合は、干し柿にしてしまうのも一つの手です。
干してしまえば長期保存もできるようになり、重要な渋抜きも同時に行うことができます。
美味しい秋の味覚を堪能しましょう!